第18章 嫉妬と混乱と攻撃のあの人
[美咲side]
「本当に驚かせやがって……」
「あ、いや……すみませ……」
「美咲が謝る事じゃない。ハンジの野郎だ。一体何がしてぇんだか。」
「え?兵長でもハンジさんの事で分からないところとかあるんですか?」
「あいつは巨人で言う"奇行種"ってやつだからな。」
「奇行……フフッ。」
翌日。
つまり壁の工事が完成した日。
約束通り、私はリヴァイ兵長といつものお店に来ていた。
今日はいつもより賑わいを見せる店内に。リヴァイ兵長は、眉を下げて苦笑いを零した。
「本当に俺が来ると知らされてなかったんだな。」
「はい、ただ前祝いとだけ……」
私は苦い顔をしながら紅茶を飲み干した。
「あの……出来れば昨日の事は……忘れてください。他の同期には秘密にしておきたいので。」
「なんでだ?」
「……なんか、私ばっかりで申し訳なくて。」
半分本音で半分は嘘を混ぜた言葉。
ジャンとの約束はリヴァイ兵長には言えない。
だからと言って、昨日に戻れないなら……
忘れてしまってくれた方がありがたい。