第16章 小さなシアワセ雨のせい?
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コニーと合流し、雨足が弱くなったのを見計らって、トロスト区の壁の上に向かったら、美咲は既に“調査兵団モード”になっていた。
「お疲れ」と声を掛けると、「……おはよう、でしょ」と嫌な顔をされる。
俺は苦笑しながら、自分の持ち場へと向かった。
ハンジさんの指示を仰ぎ、硬化で巨人の姿になる、エレンを見やる。
……そろそろ、完成も間近だな。
もう後は、エレンの体調次第と言ってもいいだろう。
軽く首をひねってストレッチしながら、山積みにされた丸太を片付けにかかる。
ウォール・マリア奪還も控え、ライナー達の存在がある以上、平和とは言えねぇが、少しは落ち着ける日が近付いてきた。
そう、思い込んでいた。
この日から数日後。
美咲がハンジさんと飯を食いに行った事も。
その場でリヴァイ兵長に遭遇したという事も。
そして別の日に、リヴァイ兵長と二人で出掛けていた……なんて事も、全く知らないままで。
俺は能天気に、朝想像していた未来が、どうすれば手に入るのかを思い描いていた。