第15章 ※隠したウソを暴くアイツ
「や、だ……ッ!やめ……!!」
ジタバタと抵抗する私の手足。
引き攣った顔を自覚してはいたけど、それを取り繕う余裕もなかった。
それでも、そんな動きは全て無駄だとでも言うかのように、ジャンは甘く、囁く。
「なぁ。暴れんな、って。」
「やっ……!」
淡い吐息が耳元をくすぐって、ますます身をすくめてしまう。
そして私の力が緩んだ隙に、ジャンはいとも簡単に、私の手足を纏め上げた。
確かに身長は高いけれど、その細い腕のどこにそんな力があるのか、小一時間程問い詰めたいくらいだ。
耳元から顔を上げたジャンが、私の目を覗き込むように言う。
「美咲。」
「な、何よ……?!」
「本当は、どこ行ってた?……リヴァイ兵長と。」
「ッ……!」
息が、詰まる。
答えられない。
沈黙は同時に、その質問が的を得ている事を証明していると、分かっていても。
「だから。嘘吐くな、つったのに……。」
「な、何で……んッ!」
どうしてジャンにそんな話しまで全部しなきゃいけないわけ?
そう言いたかったのに、胸がつかえて出てこなかった。
そんな私の唇を、ジャンが塞いだ。
強引に入ってくる熱に、頭がクラクラして。
無意識にジャンの背中に手を回す。
ビリビリとした感覚が脳を埋め尽くすと同時に、ゆっくりと唇は離れていき、コツン。と額同士をくっつける。
「さて、と。」
そう呟いたジャンは、不自然なまでに綺麗な笑顔を浮かべていて。
「よっ、」と言ったかと思うと、私を瞬く間に、ベッドの中央に寝かせた。
突然押し倒された事に、恐怖心が勝って、思わずジャンの腕にしがみ付く。
そんな私に、ジャンは妖艶に微笑んだ。
「……こいつは、お仕置き、だな。」
「はっ?!」
聞き捨てならない言葉を落としたジャンの目が、鋭く光る。
「せいぜい、後悔してろ。」
「ッ……!」
言うが早いか、ベッドに沈んでいる私に、ジャンは再び口付けた。