第14章 ※お前のウソはダレのせい?
『お前の身体は、俺のだ』
本音に、余計な言葉を足した台詞。
それは、美咲に……
そして、俺自身に言い聞かせるような言葉だった。
ココロをいくら望んでも手に入らないのなら……
せめて身体だけでも、俺のものだと思いたい。
まだ、俺のものでいて欲しい。
言い放った言葉を、美咲はどう受け取ったんだろうか。
僅かに揺れただけの瞳からは、小さな戸惑いしか、見つけられなかった。
甘い、甘い夜が、更けていく。
時間の流れは曖昧でも、この部屋で確かに俺達は繋がっている。
ただ、少しでも余裕ぶりたくて。
俺の束縛を、その心に刻み付けたくて。
刷り込みの一環だ、と。正当でもなんでもない理由を付けて、詰め寄った。
「嘘は吐くな」と。
途端に、それまで欲情と戸惑い、それから甘い何かを孕んでいた美咲の瞳の色が、変わったのが分かった。
ニヤリと笑みを浮かべる俺の顔は、妖しく歪んでいる事だろう。
この空間に、お前の“憧れのヒト”……
リヴァイ兵長が助けに入る余地はない。
この空気を支配しているのは、俺だ。
触れているのも、
繋がっているのも、
突き上げているのも、
揺さぶっているのも、
全部、俺。
一方的過ぎる要求にも、美咲は頷いた。
わざと断れない状況で迫ったんだから、当然だろう。
それでも、
卑怯で、小さい俺は、満足していた。
初めて美咲と、カタチのある“約束”を結ぶ事が出来たのだから。
彼女の身体に刻み付けるように、激しく腰を打ち付けて、深い“約束”の口付けを交わした。