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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第11章 距離が縮まるアイツとあの人






あの日以来、リヴァイ兵長は時々ハンジさんの書斎を訪ねては、私を食事に誘ってくれる。

……けど、中々タイミングが合わず、一度も実現出来ていない。



距離は縮まったようでも、まだまだ遠い。

そんな風に、思う。



ジャンは相変わらず、頻繁に声を掛けてくる。



暇な時は承諾する……
と言うか、承諾せざるを得ないし、そうでない時はもちろん断る。

私の仕事が忙しいか、忙しくないのか、ジャンには筒抜けみたいなもんだから、仕方がないと言えばそうなのかも知れない。



私は、と言うと。



何だか不思議な状態だな。なんて、他人事みたいに思っている。



リヴァイ兵長からの誘いは、それこそ飛び上がる程嬉しいし、是非また一緒に御飯に行きたい。

顔を見ればドキドキして、あの日を思い返すと胸がきゅう、っと鳴る。

憧れているヒトとの思い出に、恋する乙女思考になってしまうのも、無理はない気がする。



けれど、それを理由にジャンを突き放せれるほど、確定的だとも言い難かった。

つまり、リヴァイ兵長が好き、だと、ハッキリと言える程に強い感情は、まだないように思う。



何より、ジャンにそれを伝えた時のリアクションが、怖い。



「良かったな。」なんて言って、優しい同期としての一面を発揮し、応援してくれるのか。

それとも、最大の弱味を握った、とばかりに、悪魔の笑みを浮かべるのか。



……どう考えても、後者になりそうな気がしてならない。



かと言って、この状況を打開するいい案が浮かぶ訳でもなく。

考えたら考えた分だけ、顔が強張っていくだけだったから、私は“深くは考えない”という方法を選んだ。



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