第6章 〜舞い落ちる翼〜
死神がアジトに辿りつくとすぐに異変に気付く。
死神(まぁは…。)
部屋を見渡すと、物が散乱し、争ったであろう跡と、まだ暖かいスープの入った鍋が無残にこぼれていた。
そこには、無数に散らばった彼女の羽がそこら中に落ちている。
死神『まぁ…』
死神はすぐさま市場に戻り、目的の人物をみつけると、音もなく背後を取り囁く。
『先程話していた男の情報を吐け。まだ死にたくはないでしょう?』
老人は、ひどく怯えた様子で、すんなり男の情報を話した。
男は、この辺りで有名な人さらいであり、今は隣町で売買をしていると。