第8章 自己紹介・・・そしてそれぞれの過去
聞いた途端、その人の口が止まる・・・。
もしかして、変なことを聞いてしまっただろうか・・・
すると・・・
「あぁ、一緒に暮らし始めた一年後に死んじまったよ・・・。病死だけどな・・・。親父は、おふ・・・いや、あいつや、たらい回しにしやっがった奴らとは違って俺、いや俺たちを一人一人、自分の子供のように扱ってくれたよ。
俺達は、あの人の子供じゃないのに・・・。あの人の子供から生まれた人格だって言うだけなのによ・・・」
俺はどう返そうか悩んだ・・・。
記憶のない中、この人と前居た記憶もないしまず、自分の父親と母親を思い出せない・・・こんな自分が返す言葉などあるのだろうか・・・。
そんなことを考えていると・・・
「そういえば、エレン・・・。多重人格な俺・・・いや俺たちをどう思う・・・?」
素直に思っていることをいう・・・。
「別に・・・どうも思わないですよ・・・。だって、多重人格であろうが、俺達と一緒でしょう?それをどう思うって言われても・・・。」
すると、その人は大きく目を見開いた・・・、俺は何か変なことを言っただろうか・・・。
すると急に、
「・・・ははっww。お前・・・最高だわw。・・・“前にも同じようなこと言った奴がいたんだ・・・。”お前の事気に入ったわww」
と、笑いながら言われた。
途中、何かを懐かしむような悲しい表情になったが・・・。