第1章 【菅原】卒業まで、あと少し
お参りまでは、とてつもなくながかった。
でも、菅原くんがずっとバレーの話をしてくれてた。
「そんで、日向がさー、って、バレーの話ばっかでごめんな」
「んーん、私楽しいから!」
「そっか!」
気づかってくれたけど、
ほんとに楽しかったから。
隣から大好きな菅原くんの声が聞こえるんだもの!
心のそこからの笑顔を見せると、菅原くんは驚いた表情を見せた。
話しているうちに、あっという間に私たちの番!
そっと、お願いをした。
数秒して目をあけ、菅原くんを見ると、
すごく綺麗な、真剣な顔でお参りをしてた。
見惚れていると、そろそろ行こうか、なんて声をかけられた。
鳥居のところまで歩きながら、
「冬野はどんな願いごとした?」
って聞かれたけど、
もちろん…
「ひみつ!」
私は口許に人差し指を立てて言った。
鳥居には、ニヤニヤした友達三人組が待っていた。
私の願いごとは…
もっと菅原くんと、仲良くなれますように。
卒業まで、あと少し…