第3章 【月島】カタオモイ
「そうやって、眉間のシワ寄せてるときの方が多いけど、そんな月島くんも、私は好きだから!悪口言っちゃうところも、可愛いとこも、嫌って言いながら駅まで送ってくれるところも、全部、好きです。付き合って、ください。」
結果が怖くて顔が見られないから
頭を下げて、チョコレートを差し出した。見えるのは、アスファルトだけ。
「僕は君のこと嫌いじゃないけど、付き合えない。」
月島くんの口から結果が出たのに、顔はあげられない。
だって、フラれたんだ。
涙が出るのは当たり前じゃん。
見られたく、ないじゃん。
本人にも山口くんにも。
「…冬野さんが一生懸命で頑張ってるところはちゃんと見てるから。」
その言葉と同時に私の手からチョコレートが無くなった。
月島くんがほめてくれたことと、チョコレートが無くなったことに驚いて、勢いよく顔をあげるともう月島くんは帰り道を歩いていた。
そして、残った山口君が私に言った。
「ツッキー、嫌いじゃないって言ったけど、冬野さんのこと好きだと思う。最近は君の話ばかりしてるから!だから、ツッキーに冬野さんのことが本当は好きって、気付かせればいいんじゃないかな!」
ニカッと笑うと、待ってよツッキー!何て言いながら月島くんを追いかけていった。
近くにいる山口君が言うんだもの。
信じてちょっと頑張ってみようかな。
私の片思いはもう少し続きそうです。
バレンタインデーは、女の子に勇気をくれる日。