第3章 【月島】カタオモイ
「いや、僕じゃなくても…」
「ダメ。」
潔子先輩が交渉するなか、私は口をパクパクさせるしかなくて、
恥ずかしかったからマフラーで口もとを隠した。
そうこうしているうちに三年生も出てきて、菅原先輩が潔子先輩の行動に察したらしく、月島くん以外を連れてみんなで帰ってしまった。
…意味深な笑みを残して。
当然今は二人きり。
「はぁ…何で僕が…。行くよ。」
「は、はいっ。ごめんね?」
「別に。」
素っ気ないのに、ちゃんと送ってくれる感じ。
…嬉しい。
「じゃあ、また。」
「またね。」
帰りは特に何も話しはしなかったけど、無言でも心は暖まった。
私の挨拶にも、返してくれたしね!
帰宅後は、潔子先輩から電話がかかってきた。
内容は…言うまでもないが帰りのことだった。
女の子はやっぱり恋ばな好きなんだなぁ。