第3章 【月島】カタオモイ
烏野高校のバレー部マネージャー。
好きな人は、月島蛍くん。
好きになった理由は、カッコいいから。
目で追ううちにひねくれてるくせに可愛いところも、頭がいいところも、気だるい感じも、全部好きになった。
けれど、接点と言えば、ドリンクやタオルを配るときくらいで、部活のときに声をかける勇気もない。
クラスも違うし、ね。
「夏蓮ちゃん。」
「あっ、はい!」
部活が終わり、更衣室で着替えながらボーッとしているときに、潔子先輩から声をかけられた。
ボーッとしていて、上のジャージも脱ぎかけだった。
スカートはもう来ていたので急いで制服のシャツを羽織る。
「あっ、着替えながらでいいよ。」
「では、お言葉に甘えて」
「水曜日、バレンタインデーだから二人でみんなにチョコレート作らない?」
お互いが制服に着替えながら提案されたこと。
答えはもちろん、
「いいですね!」
けど…
みんなに作るってことは、
月島くんにも作るってこと、だよね…
正直、みんなと同じものをあげたくない気持ちもなくはなかった。