第11章 バレンタインの日は
「だから、あれは必ず先生が食べてください。」
「はい。」
子供のように小さくなり素直に答える
「でも甘いものばかりだと飽きちゃいますよね?なので、私からはコーヒーとか紅茶のセットをプレゼントします」
女生徒から大量に渡されることを予測していた遥は休日に出かけ、このセットを買っていたという
「先生の好み、あまり分からないので店員さんに聞いてスタンダードなのを選んだんですけど…」
「っ…!」
「はっ!…先生?」
如月は彼女からの気遣いに感動し、自然と抱きしめていた
「ありがとう。人生最高のバレンタインだよ」
「そんな…手作りお菓子じゃないんですよ?」
「いや、俺のことわかってる。お前くらいだよこんな気を遣ってプレゼントしてくれるなんて」
「こんなに大量だと減らないからお前も協力してくれるだろ?」
「…仕方ないですね」
と食事を終わらせ遥が買ってきたコーヒーと紅茶を1つずつマグカップに入れる
「せっかくだから2人で飲もうか」
「いいですよ」
大量にある手作りお菓子の中からランダムに5つほど選び、開けていく
「これ、美味しい…!」
「ふーん…お前のが食いたい」
「先生。そんなのいつでも作りますから素直に美味しいって言ってください」
「まぁまぁ…」
「もう…!」
素直に認めようとしない如月
「先生、このチョコ1枚だけですから食べてください」
と箱に手のひらほどの大きなハートのチョコを指し遥が言う
「嫌だ、お前と食う」
「へ?」
如月はチョコの半分を割り口に入れたまま遥の口にキスをする