第10章 約束
お風呂から上がると
「髪乾かしてあげる」
如月の家でお風呂に入る時はいつも如月が髪を乾かす
「ここ座って。」
と言われソファーに座る遥
機会の荒々しい音を立てドライヤーを使いこなす如月
「お前、髪伸びたな」
「もうそろそろ切りたいんですけどね」
「そーいやお前のショートとかボブ見たことねーな」
「そうでしたっけ?」
「切ってほんのちょっとだろ?」
考えてみれば1年生の時からロングヘアのままである
「でも、もう冬なので切るのはもう少し先ですね」
「俺はどんな髪形でもお前に似合うと思うけどなー」
「そうですかね…」
「うん。俺のお嫁さんだから」
「え…気が早いですよ」
「そう?でもお前もう結婚できる歳だぞ?」
とドライヤーを動かしながら顔をのぞきこむ如月
「結婚するって私、言ってません」
「ふーん?ちょっと嬉しそうにしてるの知ってるけど?」
「え?」
「お前、この間学校で友達に未来の旦那さんとの結婚の話してただろ?」
というのも最近、クラスの女生徒と遥は結婚するならどういった披露宴がいいかや、旦那さんはどんな人がいいかという話しをしていたのだった
「っ!…なんで!?」
と振り向く遥
「こらこら、前向いて。ちょっと聞こえた」
微笑みながら言う如月
「私はーたくましくて、いつも笑顔な人と少し大きなお家で2人で暮らすのがいいなーって。素直に俺って言えよー」
と調子良さげに言うと
「ば、バカ!そんな事言ったらバレます!」
「えーもうすぐ卒業だからバレてもいいと思うけどなー」
「私が嫌なんですよ!」
「ふーん?俺のこと言ってたのに?」
「言いましたけど…」
「ふふん」
珍しく認める彼女に幸せを感じる如月