第9章 先生、教えて
そうして次の日、如月と七瀬は2人きりで話すことに
「…久しぶりね。こうやって話すの」
と重い空気の中、口を開く七瀬
「そうだな…」
「あのね、私も心残りだったの…」
「本当に申し訳ないと思ってる。あのとき、ちゃんと謝れなかったこと俺もずっと残ってて…」
「ごめんね。私もねあのときホントは気づいてた…凌さんが私のこともう好きじゃないんだって…でも言い出せずにいたの。私、まだその時は好きだったから」
「…っ」
「私、ずるいよね、気持ち知ってたのにまだ付き合ってたいからって何も言わずに知らないふりして…他の子に取られたくなかったの…!」
「え?…」
「クラスで狙ってる子が沢山いて、だから手放したくなかった…ほかの女の子にいけずもしたし、酷いでしょ?邪魔する子はどんな手を使ってでも近づけないようにしてたの。」
「俺もだ…」
「え?…どういうこと?」
「俺は、父親からの指示だったから…お前に近づこうとした男どもにはどんな手を使っても排除した」
「そうなんだ…お父様の指示だったのね。きっと私のせいで辛かったでしょ?許嫁なんて言われて…」
「俺だってお前を辛くさせた…父親のいうことばっかり聞いてその気にさせておいて…」
「いいの。お互い様でしょ?お互い隠し事してずるいことしてたんだね。ふふ」
とにこやかに言う七瀬
「そうだな。でも、今お前が幸せそうでよかったよ」
「凌さんもね。遥ちゃんを幸せにしてあげてよね!」
「ありがとうな。お前も幸せになれよ」
「んふふ、言われなくても幸せになるわよ絶対に。これもお互い様でしょ?」
「そうだな!」
そうしてお互いの気持ちを伝えあった2人は長い間持ち続けた心残りをようやく解消することができた