第9章 先生、教えて
「俺らの共通点は、金持ちの家なんか興味無いってことだった…だから仲良く出来たんだと思う。向こうはそれが繋がってる唯一の糸だと思ってたんだろうな。」
「……」
「でも、俺に彼女がてきたと嘘を信じた事で気を失うほどのショックだったらしい。俺が見舞いに行ったらあいつの友達に出てけと言われたよ。その事はずっと俺の中で心残りになってる。興味のあるものには依存する、反対に興味がなくなると一切手をつけたくなくなるそんな俺の性格があいつを傷つけた、それが俺にとっては…」
「ずっと消えないんですね…先輩が優しい人だから特に。」
「そうだな…俺がこんな性格だから。だからお前のバイト先で出会った時何も言えなかった。なんか言ってたか?」
「すごく、動揺してました。でも先輩にはもう彼氏さんがいますよ。今は幸せなんだと思います。」
「そうか…でも俺は謝る必要がある。だから…」
「私のバイト終わりの時間は先生と同じですから、その時に2人きりでお話するのはどうですか?」
「そんな急でいいのか?」
「私がちゃんと先輩にお伝えしますよ」
「悪いな…頼むよ。」
そうして如月の心残りを解消するべく、遥は七瀬に話せるか聞いてみた
「…と言うわけなんですが、いいですか…?」
「…私もね、それが心残りなの。お金持ちの世界が嫌で凌さんと仲良くなれたけど、それから様子がおかしいと思ってそれっきり何も話せてなかったから…」
「じゃあ、明日のバイト終わり。私は先に帰るので2人で」
「ありがとう遥ちゃん。ごめんね迷惑かけて」
「いえ、2人がスッキリすれば私はそれでいいですから」
と遥は笑顔で言った