第9章 先生、教えて
「それから中等部は離れたが放課後や休日には必ずあったり如月家と七瀬家の親交は深まっていった。高等部でまた一緒になって、祖母からは結婚をするのだから他の男に取られないようにって言われた。あいつは人気者だったから男なんて常に寄ってくる、俺はおじさんの命令に従うために近寄る男はみんなどんな手を使ってでも排除した。」
「…そんな。」
「ばあさんに認めてもらいたくて、そんな時だ、ばあさんを亡くした。認めてもらいたくてやっていたのにその認めてくれる人がいなくなった。そこで気づいた、俺は許嫁のことなんて何も興味はないって。デートも適当に振る舞って、話しも適当に相づちしたり合わせたり…それ以来、あいつに男が近寄ろうが興味は無くなった。」
「え…?」
「使用人とかはそれに気づいててじいさんにも相談してたらしい、じいさんは俺の気持ちが大切だと言ったらしいけど、ばあさんは死ぬ前に俺の気持ちがどうだろうと七瀬家との親交は如月家にとって必要だと言って。そんな人に俺は認めてもらおうとしてたと思ったら嫌になった。そしたら許嫁の存在が邪魔になった…」
「……」
「許嫁が居るから、ばあさんの呪縛に囚われて自由になれないと思った。じいさんも俺の意見を取り入れると言ってるからって…だからそれ以来あいつには素っ気ない態度を取り続けた。デートの誘いも用事があると偽って断ったり、それでも離れないことにイラついて…俺は彼女がてきたって嘘をついたんだ」
「え?…そんなことしたら…」
「うん。でも許嫁の話しは向こうの親御さんが優しいから無しにはなった、でも親交は続いたよ。あいつはかなりショックで学校に来なくなって、精神的に苦しんだって聞いた…」