第9章 先生、教えて
いつもの場所では無くソファーに座る遥
その横に座る如月
2人は向き合い話をする
「七瀬先輩を知ってるんですね?」
「あぁ…」
「過去に何があったんですか?」
「……」
「…先生。私、一応彼女ですよね?話してもらわないと嫌です。バイト先の先輩と先生が何かあったのに私が違和感に気づいたまま過ごすなんて…どれだけ抑えても先輩のこと責め立ててしまいます!それだけはしたくないんです!」
と遥は必死に如月へと訴えかける
「先生のこと…悪い人だって思いたくない!私、ずっと先生は信じられる人だって思ってるから!お願いだから話してください!簡単に私は傷ついたりなんてしません。何があろうと受け止めますから…!」
「ごめん…俺、お前のこと考えたら…」
そう涙を浮かべる如月
そんな自分が信じられなかった、涙なんて両親を亡くした10年前に枯れ果てているはずなのに――
「先生…もう解放されてください。私はちゃんと受け止める覚悟はできてるんです」
そう如月を抱きしめ言う遥
「っ……!」
「私を信じて…!」
「分かった…ちゃんと話す。」
そう言い遥にしっかりと向き合う
「七瀬は、由緒ある家のお嬢様だ。だから昔から如月家とは親交があった。俺の父親はじいさんと話し合って俺の幼い頃に、許嫁を七瀬家と結ばせようと思ったらしい。」
「…先輩が、許婚…?」
「それを俺が知ったのは小学生の頃だ、同じ学校で父親からは七瀬家のお嬢さんに優しくしなさい、そしてお前が守ってやるんだと言われた。父親から言われたことは絶対だったから、それに従った」
「……」