第14章 小さな仕返し
『今日は早く帰ってくるだろ?』
如月は急いで返事をする
『はい。一緒に帰れますよ』
担任を持った遥は忙しい日々を送っており、なかなか定時で帰れないこともある
『一緒に買い物して帰ろっか』
『久々ですね、一緒に帰るなんて』
そんなメッセージのやり取りをした2人は帰宅する途中にスーパーへ寄る
「特売日はやっぱり野菜が安いなー」
普段、仕事が遅くまでかかる遥は如月に食事を任せていたこともあり久しぶりのスーパーだった
「今日は何が食いたい?」
如月から聞かれると
「いやいや、今日は私が…!」
「そんな無理しなくていいよ。結構寝てないだろ?」
「そこまでじゃないですよ。それに今日は金曜なんだし大丈夫ですから」
「そう?じゃあ、久々に一緒に料理する?」
「はい!」
そうして2人は材料を買い帰宅する
「そのエプロンも久々だな」
「せっかく新しく買ってくれたのにまだ2回しか使えてない…」
「いいよ。担任の先生は忙しいし、俺はこーやってたまに見ては萌えてるから」
「それいっつもですよね?」
「どんなお前でも可愛いからな」
「はいはい。また裸エプロンはやめてくださいよ?」
以前に裸エプロンをした際、勢い余って如月が破ってしまうということが起きてしまった
「あ、あれはつい…ほらお前の裸綺麗だから…」
「でもエプロン破くのはダメですよ」
「ごめんごめん。もーしないから、な?」
「わかりましたよ。じゃ作りましょ」
「おう!」
こうして久しぶりの2人での調理が始まり淡々とこなしていく2人
高校時代にはあまりしなかった調理も今では得意となっている遥
結婚したての頃はよく如月に教えられたせいか、かなり腕が上達しなんでも作るようになった
「お前さぁ…」
「ん?」
「包丁の使い方かなり上手くなったな」
「それは、教えてもらいましたから…」
「ほんとにいい奥さんもらったな俺」
「何しみじみしてるんですか」
彼女の上達具合に喜びを隠せない如月