第14章 小さな仕返し
ガラガラガラ―――
「あら、おかえりー」
桜田は問題作成の手を止め遥に言う
「なんか貰ったの?」
「あ…いや、少し連絡とかです」
遥は誤魔化し自分のデスクへ座る
「へぇー、じゃ食べよー!」
「あぁ!待たせちゃってすいません」
「いいのいいの!これパリのでしょ?」
「みたいですね!食べましょ」
2人はお互いのチョコを食べ合う
「んー!これ美味しいね」
「そうですよね!今までこんなの食べた事ないです!」
「よねー!本当にお金持ちの子って気合いの入れ方すごいわ」
「私もびっくりですよ」
そんな会話をしながらチョコを食べつつ仕事をした
ガラガラガラ――――
「あ!如月先生!どこいってんのよ!食べないの?」
2人のことを知らない桜田は如月を誘う
「あ…大丈夫です。俺、仕事なんで」
「そう…また菓子パしよ!」
「その時はお願いします」
「了解!じゃ!」
如月は仕事と偽り誰もいない体育館へ
始まりはこの体育館からだ――――
気がつけばいつも目で追いかけて、境遇を知って、そうしたら余計に気になって…
彼女との出会いを振り返る如月
「…お前の前じゃ、何も止めらんねーんだよ」
如月はそう呟いた
最初、涙ぐみながら拒むも体が反応するそんな彼女が可愛くて仕方がなかった
でも彼女が徐々に自分のことを好きになるのがわかった時、頭がパンクした
彼女を守りたい気持ちがより一層、増した
ピロっと如月のスマホが鳴る
画面を見るとメッセージが届いていた
「っ…!」
『さっきは口走りで言ってごめんなさい。嫌いですなんて嘘ですから…!』
遥からのものだった
『今晩、一緒にご飯食べますから!』
その後にまた遥からメッセージがきた
「俺が強制的にしてるみてぇーだろ…はは」
あの時みたいに頭がパンクしそうだった