第14章 小さな仕返し
ガラガラ―――
「如月先生も一緒に食べません?」
如月が帰ってくるやいなや桜田は声をかける
遥は少し不安になった
「うわぁ…これ誰の?」
「もちろん遥先生ですよ。私がそんな貰えるわけないじゃないですか!」
「へぇ…遥先生のなんだ…」
遥は少し声色が変わるのが分かった
「遥先生、ちょっとお話が…」
そう如月に言われゾッとする
「は、はい。」
「桜田先生、少しこの子借りますね。食べてていいんで」
「え?…あ、はい」
如月は遥を連れ出し、体育教官室へ向かう
「っ…待って…」
「どうして?…体育教官室に行くだけだろ?」
普段の如月と少し違っていることは分かっている、きっとあの量を見て嫉妬しているんだということを
「凌さん…」
名前を呼ぶと如月の足がピタリと止まった
「ごめんなさい…」
「………」
「でも…バレンタインの日…私は許しました」
「っ…!」
「嫉妬は…少ししたけど、大人の広い心を持って許しました。」
「っ…べ、別に俺は嫉妬なんか…!」
必死に喰らいつく如月
「わ、私。生徒にまで嫉妬する凌さんは…き、嫌い…です」
「っ!…」
如月の方へ向いていた遥は職員室の方を向く
「だ、だから…やめてください」
「っ…!!まて!」
如月は遥の腕をつかみ止める
「悪かったよ…勢い余ってここ連れてきちまって」
「もう、戻りますから…」