第7章 三角形 case4
こんな感じのやり取りを休み時間の度に繰り返す。
毎回タイミングを見計らったかのように、及川さんからのメッセージが届いたのも効果があったのか…
その週が終わる頃には、下心で私に話し掛けてくる男子は居なくなっていた。
本当に友達のつもりって人は居なかったみたいで、1人で過ごす時間が増える。
前だったら、実習室に移動する時とかですら、一緒に誰かが居るのが当たり前だった。
それなのに、今は1人で廊下を歩いている。
これはこれで、少し淋しいとか思っていると、前から歩いてくる背の高い人が目に入った。
二口だ。
一回だけ、通りすがりに嫌味を言われたくらいで、別に知り合いって訳でもない。
周りの男子を遠ざけた今、何かを言われる筋合いもない。
いくら私が気になってしまった相手とはいえ、向こうからしたら男にチヤホヤされて調子に乗ってる普通女。
こっちから話し掛けて、まずは知り合いになるって勇気もなかった。
だから、ただ、すれ違うだけ。
その筈だった一瞬。
「今日は取り巻きいないんだ?」
また、前と同じく嫌な言葉を投げ付けられた。