• テキストサイズ

【HQ】サンカク。

第5章 ※三角形 case3※


‐灰羽side‐

あれは、何年も前の靴屋での出来事。

並んでいる踵が高い可愛らしいサンダルを見て、悩んでる人がいた。
最初は通り過ぎただけで気にしなかったけど、何時間か後にまた通り掛かった時も居て。

そんなに悩むなら、買ったらいーじゃん。
…って、声掛けた。

男の子には、背が高くて悩む女の気持ちは分からないよ。ヒールの高い靴、履く勇気がない。

振り返らないで答えたその人は泣きそうな気がして。

高いクツも似合うと思うぞ、って。
言うだけ言ってやった。

その後は、黙っちゃったから帰ったし、その人がクツを買ったか知らなかった。

この前、飲み会で会った時は、背筋伸ばして、堂々とヒール履いてて。
買うか悩んでいた時の感じと全然違って、分かんなかったけど。

今、ずっと下向いてるの見て、あれがさくらだったんだって気付いた。

変だと思ってたんだよな。
夜久さんが言ってたみたいに、試合見に来てただけ、しかも敵の応援してる人なんか、覚えてる筈ないって。

だから、俺がさくらを知ったのは違う時だって伝えたくて、出来るんなら思い出して欲しくて。
その時と、同じ言葉を言ったんだ。
/ 304ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp