第4章 ‐case2‐endnig.
最後の瞬間は、かなり冷たい態度を取った筈だ。
でも、夕くんにとって気にする要素は無かったみたいで、すぐに連絡が来た。
【これ、さくらさんが作ったんですか?スゲェあったかいです】
【お礼に、今度デートしましょう!】
しかも、わざわざ理由を付けてお誘いされている。
【夕くんの部活が落ち着いた頃にね】
夕くんに目を向けたいと思っても、気分が乗る心境じゃない。
少しだけ時間が欲しくて、引き延ばそうとしたけど…。
【遠慮しないで下さい!もうすぐ定期テストで、部活休みっす!どっか行きましょう!】
思わず突っ込みたくなるメッセージが返ってきた。
テスト前に部活が休みになるのは、勉強する為である。
ただでさえ、夕くんは勉強出来ない方なのに、遊びに行っている暇なんかある筈がない。
【テスト前は勉強しましょう】
【なら、さくらさんが教えて下さいっ!】
【いいよ】
真面目に返したら、デートは諦めてくれたみたいだ。
元々、勉強を教える為に知り合ったのだし、前と同じくメッセージでの質問とかは受け付ける。
そのつもりの、了承をした筈だった。