【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜
第2章 幸せなまどろみ(ルカ目線)【R18】
ゆっくり目を開けると見慣れない天井。
まだ周囲は薄暗く肌寒い。
寝起きのぼんやりとした頭で考える…あぁ、そうだった。
ここは黒の兵舎ではなく、セントラル地区にあるホテルの一室だった。
昨日、シリウスから『たまには食事の準備なんかも一切忘れて休日を楽しんでこい』と言われ、それならいっそお泊まりをしようということになったのだった。
腕に温かな重みを感じる。
ゆっくり顔を向けるとアリスが気持ちよさそうに眠っていた。
(可愛いな…よく眠ってる。
昨日はホテルに着いたのが遅くなっちゃってろくに話も出来なかったなぁ…)
今日は久しぶりの休日だ。しかも初めてのお泊まりだ。
何をしようか色々考えていたはずなのに、アリスの寝顔を見つめているとずっとこのまま二人で過ごしたい気分になってくる。
「アリス…」
起こさないようにそっとサラサラの前髪を避け、額にキスを落とす。
「ん…ルカ……?」
あ、起こしちゃったかな。
まだ寝かせてあげたい気持ちはあるのに、サファイアブルーの瞳が開かれることを期待してしまう。
アリスはゆっくりと瞼を上げるとぼんやりと俺を見つめた。
「ふふっ、ルカだぁ…」
アリスはへにゃりと微笑むと手を伸ばして抱きついてきた。
(まずい…可愛いすぎだよアリス…)
アリスの柔らかな身体がぴったりと隙間なくくっついて身体中の感覚が敏感になる。鼓動はドンドン速さを増し頭から足先まで熱が駆け巡っていく。
思わずアリスをそっと抱きしめ、
「ねえ、誘ってるの…?」
と耳元で囁いた。
そのまま耳、うなじ…とキスを落としているとアリスの身体にも徐々に熱が灯ってきた。
「目、覚めた?」
「は、はい…。寝ぼけてちゃっててごめんなさい」
アリスは俺に抱きついた姿勢で固まったまま答えた。
「…続き、してもいい?」
「え!?…ぁ…っ……」
返事を待つのも惜しい気がして、そのままキスを鎖骨、胸元へと落としていく。
「ル、ルカ…待って…っ…」
「ごめん。待てない」
キスをするたびに彼女の甘い香りが鼻をくすぐり、もっと深く、と求めてしまう。優しくしたいのに余裕がなくなっていく。
(ごめん、アリス…。俺はあなたが好きすぎる…)