【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜
第8章 うさみみっ娘の扱い方①〜ルカの場合〜【R18】
「わあー!だいぶ賑やかになってきたねー」
季節は春間近。
クレイドルでは春の到来を祝うお祭りの準備が着々と進められていた。
(春のお祭りってイースターみたい…懐かしいな)
ルカと並んで歩きながら、色とりどりに飾られている街並みを見渡す。
「当日にはもっとたくさんの出店が並ぶ予定だし、みんな仮装もしたりするからびっくりするくらい賑やかになるよ。
あ…ほら、アリス。噂のお店ってあれじゃないかな?」
ルカが指さす先に。
私達が今日の目的地としていたお店があった。
そのお店は最近セントラル地区にできたばかりなのだが、変わった輸入雑貨や食品が揃えてありちょっとした話題になっていた。
ドアベルをチリリンっと鳴らして中に入る。
「わぁー…なんか見たこと無いものがいっぱいある…」
私は珍しい物だらけの店内を見渡し感嘆の声を上げると、一つ一つ手に取ってじっくり見て行く。
「…何だろう、これ。どんな料理に使うのかな…」
ふと隣を見ると、ルカも真剣に棚に並べられた品物を眺めていた。
「ルカ。私奥の方見てくるね」
また後で、と邪魔をしないよう小さな声で声をかけ、変わった雑貨が並ぶ店の奥の方へと足を向けた。
「塗るだけで足が細くなるクリーム?…へぇーほんとだったらいいけどなー。こっちは胸が大きくなるジュース?…ち、ちょっと欲しいかなー、なんて」
店の奥には雑貨の他に変わった効果の書かれた品物が並んでいた。
興味本位で眺めていると、ふと籠に入ったキャンディーが目に付いた。
「『可愛くなれるキャンディー』??えーっと…『食べるだけで普段の数百倍可愛く変身できます。これで気になる彼をゲットしちゃおう!』……可愛くってどんな風にだろう…気になる……」
キャンディーを見つめたまま考え込んでいると、お店の方が声をかけてくれた。
「お客様、その商品でしたら一粒差し上げますよ?効果は一晩程で自然に消えますのでお気軽にお試し下さい」
どうぞ、と人懐こい笑顔を浮かべながらお店のお姉さんが小さな紙袋にキャンディーを入れて渡してくれた。
「ありがとうございます!」
私は飛び跳ねるくらいの勢いでお礼を言って、大事に受け取った。