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【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜

第1章 あまいアフタヌーンティーはいかが?



アリスが一度じっとゼロを見つめた。かと思うと僅かに空いていた二人の距離を詰めてゼロの胸元に額をとんっと付けた。

「アリス…?」

「ゼロ…、私こうやって手の届く距離にゼロと一緒にいられるのすごく幸せ。それだけで十分だと思ってた。
…なのに。私、わがままになっちゃったみたい…。
一緒にいるだけじゃなくて……もっと、触れたい。…ゼロに触れて欲しい」

うなじまで真っ赤に染めながら、アリスはゼロの背に手を回しぎゅっと抱きついた。
衝動的にゼロもアリスの華奢な身体を抱きしめ返す。

「アリス、俺も同じだ。…そんなわがままならいくらでも叶えてやる」

ゼロは少し離れると、アリスの頰に手を当てその潤んだ瞳を見つめた。
まるで引き寄せられるように顔を近づけると、熱い唇が僅かに触れ合った。
「アリス…愛してる」
「っ、私も…」
啄ばむように2、3度キスをすると、身体の奥からどうしようもない熱が込み上げてきて、身体中が欲望に支配される。
ゼロはアリスの顎に指をかけると僅かに唇を開けて、深くキスをした。そろりと熱い舌を侵入させてお互いに絡ませ合う。
「んっ…、ゼロ…」
アリスの甘い吐息が漏れる。
ゼロは熱に浮かされたような感覚に包まれながら、角度を変えて深く濃厚に唇を重ね合う。部屋には明るい日差しに似つかわしくない甘やかな水音が響く。
しばらく続けていると、アリスは微かな力でゼロの胸を押し返し二人の唇はゆっくり離れた。

「ゼロ…お仕事が…」
お互いの吐息が触れ合う距離でアリスが囁く。
「…そうだったな」
ゼロはもう一度アリスに口づけると名残おしそうに離れた。

「アリス。また今夜逢いにきてもいいか…?」
頰を染め熱をはらんだ瞳で見つめてくる恋人の髪に触れながら、こちらも負けないほどの熱い瞳で見つ返し、問いかける。

「うん。待ってるね」
アリスは少しはにかみながらも嬉しそうに答えた。

ゼロは満足そうに微笑むとアリスの髪に一つキスを落とし、軽快な靴音を響かせながら午後の訓練へ戻っていった。



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