【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜
第5章 チョコレートをおひとつどうぞ②(主人公目線)
その言葉にドキッとした。
「う、うん。知ってるよ。
セントラルで噂になってたの聞いたから」
「あれな、媚薬だ」
びやく?…………………………媚薬?!?!
「えええええ?!」
嘘っ!
そんなに危ないものだったの?!
「これがそうなんだけどな、アリス……まさかとは思うが使ってねーよな?」
「っ、使ってないよ!ホントに!!」
よ、良かった。
カイルの部屋で見つけた時、使わなくて本当に良かった。
私は心の中で冷や汗をかきながら答える。
「……てことは、これは普通のケーキ、なんだよな?」
「うん。そうだよ!普通の材料しか使ってない」
「「………」」
変な沈黙が流れる…
「……えーっと。とりあえずアリス、こっちな」
ちょいちょいと手招きされ、ベッドへ腰掛けたカイルに近づく。
「…?」
手の届く距離まで近づいた途端がばっとカイルに抱き寄せられ、気づいたらベッドへ押し倒されていた。
「カ、カイル?!」
引いたはずの甘い熱が再び溢れ出す。
「さっきの続き。
薬のせいじゃなく、おまえがこんな風にさせたんだから朝まで付き合ってもらうぜー」
「ふふっ…何それ」
私達は笑いながらキスを交わす。
さっきよりも優しく、でも濃厚に舌が絡み合い混ざり合う。
お腹の奥にじん…とした熱が高まっていくのを感じる。
カイルが好き……はしたないって思われるかもしれないけど、もっと触って欲しくてたまらない。
「カイル……」
熱の灯った瞳でカイルを見つめると、カイルは私と同じくらい……ううん、それ以上に熱い瞳で私を見つめていた。
「アリス………愛してる」
普段滅多に聞けない愛の言葉。
嬉しいはずなのに、涙が溢れる。
私も伝えたい。
この気持ちを、あなたに知って欲しい。
「私も……カイルを愛してる」
あなたにしか見せない、とびきりの笑顔でそっと囁いた。