• テキストサイズ

【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜

第1章 あまいアフタヌーンティーはいかが?



小鳥のさえずりが聞こえる。カーテンの隙間からはまだ日の光は見えず、薄暗い空が広がっている。
どうやらまだ早朝のようだ。
ゼロはゆっくり起き上がると朝の支度を手早く済ませ、腰に慣れたサーベルの重みを感じながら中庭を目指す。
日の出前なこともありまだ廊下には人気がなく、ゼロの規則的な靴音だけが響いていた。

中庭でいつも通りの訓練メニューをこなす。

早朝訓練は特別な用事がない限りずっと続けていることであった。
ただ、一週間前からある変化があった。

「ゼロ、おはよう!今日も早起きだね」

まだ太陽は出ていないというのに金の髪はキラキラと輝き、眩しいほどの笑顔を浮かべたアリスが兵舎から出てきた。

「アリスおはよう。今日も付き合わせて悪いな。寒いから中で待っていれば…」
「大丈夫!それに気にしないで。私が……ゼロと一緒にいたくて来てるだけなんだから…」
ゼロの言葉に焦ったようにアリスは答えたが、つい本音を口にしてしまって最後は赤くなり俯いてしまった。

「…ありがとう。もうすぐ終わるから一緒に朝食を食べに行こう」
ゼロもつられて少し頰を染めながら微笑んだ。

一週間前、
ゼロとアリスは心が通じ合い晴れて恋人同士となった。
それと同時にアリスはクレイドルにとどまることとなったのだった。

ゼロは赤の幹部として忙しい毎日を送っていたためなかなかゆっくり時間をとれなかったのだが、こうして少しでも二人で過ごすようにしていた。

サッと汗を流したあとアリスと一緒に食堂へ行く。
食堂には他の幹部の姿はなく、二人は隣同士で席についた。

「んー!コーンスープすっごく美味しい!」
サファイアブルーの瞳を輝かせながら朝食を食べるアリスを微笑ましい気持ちで眺めていると、ふとアリスがこちらを向いた。
「ねぇ、ゼロ。今日の午後少し時間あるかな…?一緒にお茶したいなって思って」
「ああ。それくらいなら時間はある」
「よかった!じゃあお部屋で準備して待ってるね!」
「わかった。楽しみにしてる」

恋人になる前はほぼ毎日のように一緒にお茶会を楽しんでいたのたが、ここ最近は本当に忙しく恋人同士になってからは一度もなかった。
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp