第4章 裏切りと出会い
・・・・・・・・・あったかい?
・・・・・むー、包丁の音がする・・・・・ここは天国かな?それで包丁を使ってるのが雅で・・・・・・そろそろ海燕が私を起こす頃・・・・・
「起きろーー!!」
「ふえぇぇぇーー!!」
驚いて飛び起きろうとしたところ、誰かから後ろの襟をつかまれて戻された。
「うわー。ほんとに起きるとは思いませんでしたよ。それにしても危ないなー、今飛び起きてたらせっかく閉じかけてる傷が、また開いて内蔵が飛び出るところでしたよ。」
襟を掴まれたことで、首が締まり咳き込む私。
「・・・・・ゴホゴホ・・・・あの・・・・・あなたは?」
その人は、室内なのに帽子を被っていていた。この人が私を助けてくれたんだろう。
「おや?私ですか?私はこの浦原商店の華麗なる美男子で有名の・・・・・グホッ!!」
「あんた、大丈夫か?よくあんだけの傷で生きてたな?お前、名前なんてーの?」
いきなり男の子が前にいた人のお腹を殴った。
「・・・・秋月・・・桜花・・・・だよ」
「そうかそうか。俺のことはジン太様とでも呼んでくれ。この馬鹿店長のことは気にしなくていいから。こっちは、ゴキブリのウルル。ほら、ここらへんとかもうゴキブリみたいだろ?」
隣に縮こまっている女の子の前髪で遊ぶ男の子。・・・・・・というか、その店長さんは大丈夫なのかな?だいぶ痛そうな音がしたんだけど。
「・・・・・大丈夫?」
すると店長さんは、
「・・・・大丈夫ッス。あなたは、そこの河川敷で血を流して倒れてるところをうちの鉄斎さんが発見して助けてくれたんスよ。」
と奥の台所を指さす。ふと、私の顔をジロジロ見る店長さん。
「・・・・・ん?あなたどっかで・・・・・・・・・・・・あっ!!あぁぁぁーーーーー!!空さんじゃないスかぁ!!」
「・・・・えっ?」
ここでもまた、その名前を聞いた。惣右介が何故か執着した・・・・・あの名前を・・・・・