第4章 裏切りと出会い
「・・・・・・どうだ?桜花は目が覚めたか?」
・・・・・・・・十四郎の声・・・・・・・・
「・・・・・いいえ。目覚める気配もありません。目の前で親しい人が亡くなったのですから、仕方ありません・・・精神的ショックが大きいのでしょう。」
・・・・・・・・烈の声・・・・・・・・・・
「しかし、驚いたね。まさか、桜花ちゃんが彼女だったとは・・・・・。・・・あの事件の時に死んだと思ったんだけどね。」
・・・・・・・・春水の声・・・・・・・・・彼女?
ゆっくりと目を開けるとそこは病室だった。数日前と同じ天井。
「・・・・・・桜花が起きたら先生はどうするつもりなんだろうか。」
「・・・・多分、早急に処分させるだろうね。」
「・・・・・彼女がいつ実験の後遺症で、暴れだすか分かりませんからね。」
・・・・・・・じっけん?・・・・こういしょう?・・・・・しょぶん・・・・・・・・・
私はゆっくりと起き上がり、扉の向こう側にいる十四郎たちに気付かれないように、窓から外に出た。
脱走したあと、私の足は自然に十一番隊の宿舎に向かっていた。
「・・・・・!!桜花じゃねぇか!!」
宿舎にこっそりと入ると、そこには鍛錬をしている一角がいた。
「・・・・・一角・・・・・」
ふらりとよろめきそうになる私の身体を一角が支えてくれる。
「お前・・・・・なんでここに・・・・」
・・・・・なんかほっとするなぁー。一角の胸。
意識を手放しながら私はそう思った。