第12章 連れ攫われた青い花
☆☆~桜花side~☆☆
再び目を開けると、目の前に惣右介の顔があった。あの体勢になった後、そのまま寝てしまったらしい。
ふむ。こうまじまじと惣右介の顔を見るのは久々かも。まつ毛長いし、顔も綺麗だな。あれから年月たってるんだなー。でもなんか、髪の毛ぐちゃぐちゃな惣右介は新鮮かも。
とまじまじ見ていると、いつの間にか抱きしめられている腕が緩くなる。
惣右介の観察を止めて、むくりと起き上がる。外を見るといい天気。
「ここにも太陽あるんだなー」
そして部屋を見渡すと、ポットがあった。
「おー!!ココアもある!!」
さっそく入れて飲もうとすると、ポットにお湯がなかった。
コポコポコポ
お湯が沸くのを待っていると、その音で惣右介がもぞもぞとさせる。
「あっ、惣右介おはよう!なにか飲む?」
「・・・・・・・・紅茶」
「おっけー」
カチッ
お湯が湧いたので、紅茶とココアを作り、手渡した。
「はい。目覚めた?」
「・・・・まだ。」
「こんなところ破面たちに見られたら、士気が下がりそうよねー」
「別に構わないさ。」
「惣右介、最近よく寝れてないでしょ。目隈がすごいよ。」
「忙しくてね。久々にゆっくり睡眠をとったよ。」
「そっか。身体には気をつけてよ。
さて、惣右介。そろそろ取引の話しに入ろうか。」