第11章 遅い気づきと奇襲
そして、織姫の家で織姫特製の料理を食べ、トランプやウノなどでたくさん遊んだ私は眠りについた。
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「桜花!!お前、また外で遊んで服汚しやがったな!」
私の頭に大きな衝撃がかかる。
「いてぇーか!?だが、俺の手の方がもっと痛かったんだよ!!反省しろこら!!」
目の前には...海燕がいた。あの頃と変わらない姿で。
「あ?何泣いてんだ!こっちが泣きたい......おわっ!!お前、鼻水ついた顔で抱きついてくんな!!羽織が汚れんだろ!!」
それでも私はぎゅーと抱きつく。すると、海燕はため息をつきながら、
「あーあ。ほら、鼻水ふけ。不細工だぞ。」
羽織が汚れんだろとか言ってたのに、その羽織で私の涙を拭いてくれる。
「泣くなって。俺も怒って悪かったよ。ほら、アイス食べに行こうぜ。な?」
私と身長を同じにして、ポンポンと頭をたたく海燕。私は...私は...
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「海燕!!!!」
起き上がると、そこは見慣れない風景。そして、織姫のところに泊まったことを思い出す。私の隣には織姫が、そしてその織姫の上には乱菊が気持ちよさそうに寝ている。
「......夢...?」
海燕の死は、乗り越えられたと思っている。だから、海燕の夢を見れたのは嬉しいはず。だけど・・・
「...なんで?なんで私は...」
泣いているんだろう。