• テキストサイズ

小さな死神

第11章 遅い気づきと奇襲


そして、織姫の家で織姫特製の料理を食べ、トランプやウノなどでたくさん遊んだ私は眠りについた。

********

「桜花!!お前、また外で遊んで服汚しやがったな!」

私の頭に大きな衝撃がかかる。

「いてぇーか!?だが、俺の手の方がもっと痛かったんだよ!!反省しろこら!!」

目の前には...海燕がいた。あの頃と変わらない姿で。

「あ?何泣いてんだ!こっちが泣きたい......おわっ!!お前、鼻水ついた顔で抱きついてくんな!!羽織が汚れんだろ!!」

それでも私はぎゅーと抱きつく。すると、海燕はため息をつきながら、

「あーあ。ほら、鼻水ふけ。不細工だぞ。」

羽織が汚れんだろとか言ってたのに、その羽織で私の涙を拭いてくれる。

「泣くなって。俺も怒って悪かったよ。ほら、アイス食べに行こうぜ。な?」

私と身長を同じにして、ポンポンと頭をたたく海燕。私は...私は...

*******

「海燕!!!!」

起き上がると、そこは見慣れない風景。そして、織姫のところに泊まったことを思い出す。私の隣には織姫が、そしてその織姫の上には乱菊が気持ちよさそうに寝ている。

「......夢...?」

海燕の死は、乗り越えられたと思っている。だから、海燕の夢を見れたのは嬉しいはず。だけど・・・

「...なんで?なんで私は...」

泣いているんだろう。
/ 258ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp