第11章 遅い気づきと奇襲
放課後、帰り道の途中で一護に会った。真子と話したあと、やけに元気がなくて少し心配だったけど、なにかあったのかな?
「桜花、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
しばらく無言だった一護が口を開いた。
「ん?なーに?」
「・・・お前って・・・彼氏いんの?」
・・・・ん?
「へ?なんで?いないけど・・・」
「だっ、だって、お前最近学校来ずに、着替えだけ取りに行ってたって・・・」
・・・・喜助だな。
「着替えを取りに行ってたのは事実だけど、そういうのじゃないよ?友達の家にいただけ。」
私がそういうと、少し顔が明るくなった一護。だけど、どうして学校に行かなかったのかは内緒にしておいた。
「あ、じゃあばいばい。また明日ね。」
「おう!」
だけど、まだ元気がない一護。私は何か言おうと口を開こうとするが、昨日の真子の言葉を思い出す。
「あいつのことは俺らに任せとけぇな。」
だから私は何も言わず、一護と別れた。