第10章 新たな新入生と新たな戦い
名前を読んだ途端、私は碧夜月が隠していた様々な記憶が頭の中に入ってきた。碧夜月のこと、平子真子のこと、虚化のこと。それに・・・・・・私が逃げてしまったこと。
『・・・・まぁまぁな霊圧じゃ。だが、全盛期には程遠いな!!』
鋭い痛みが私を襲った。
《落ち着いて。大丈夫。僕と君は、最強だ。ほら、攻撃しよう。》
その声は懐かしく、わたしの心を和らげてくれる。
「・・・・・・うん!!」
私は落ち着いて相手を見た。そして、刀を振り下ろした。それだけで十分だった。
『なっ・・・・・・・に・・・・・・!?』
私と同じ顔をしたこの人の仮面がまっぷたつに割れた。
『・・・・・くくくくくくくく・・・・・・』
その人は倒れず、ふらふらな足取りで声をたてて笑いながらこちらに近づいてきた。
《桜花っ!!》
碧夜月が私を庇おうと、前に立ち塞がる。
『あっははははははは!!!仕方がない。今回は勝ちを譲ってあげる。でも、覚えておけ。わらわはそなたを諦めぬ。だから、気を許すな。気を許したそのとき・・・・・お主の終わりじゃ。』
言葉の最中からだんだんと体が崩れていって、その人は居なくなってしまった。