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ありえないでしょ。

第1章 初めてのバイト。



やばい。やばいやばい。

あれだよね、絶対私がドアぶつけてケータイ落としたよね。そんで画面割っちゃったんだよね。どうしよう相手絶対ヤンキーだよ。
弁償で済む?いやそもそも給料日まで待ってもらわないと払えないわけで…ってそんなことより!

「すっ、すみませんでしたぁ!!」

「ぅおっ。あぁ大丈夫。」

「すみません弁償するんですけど給料日まで待ってもらえないでしょうかだからどうか暴力だけは勘弁してください!!」

「ちょ、落ち着いて。」

男の人があたふたしている私の肩を押さえる。それにびっくりしてひぅっと情けない声が出てしまう。

「そんなこの世の終わりみたいな顔しないで。怒ってないから。」

「え、怒ってないんですか。」

「うん。ちょうど明日ケータイ変える予定だったから。」

少し間を置いてからぶわっと涙が溢れてきた。それを見て男の人がぎょっとするが、こちらの安心感が勝るため涙は止まらない。

「ぶっ殺されるかと思いましたぁ…。」

「いやなんでそんな考えになる。」

「ヤンキーみたいですもんんん。」

「そんなヤンキーに見えるか?てかとりあえず涙拭いて。んで俺にも着替えさせて。」

時間やばいしと言って私を更衣室から出して扉を閉められた。すみません邪魔しちゃって。
袖で涙を拭って落ち着くと、すみませんでしたと言って店に戻った。



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