第14章 敵との戦い(2)
「私の中には血や臓物が溢れるので嫌なのですが…貴方程の者ならば喜んで受け入れる」
オールマイトを拘束するのが脳無の役目。そして彼の体を半端に留まった状態でゲートを閉じ引きちぎるのが黒霧の役目なのだ。
「蛙吹さん!相澤先生担ぐの代わって…!!」
『!!(出久君!?)』
「ケロ?うん…けど何で…」
「(嫌だ…嫌だよオールマイト)」
「緑谷っ!!」
相澤を蛙吹に預けた緑谷は一目散にオールマイトの方へ走っていく。
「あなたに教えてもらいたい事がまだ!!山程あるんだ!!」
彼は走りながらも必至に“憧れ”に手を伸ばす。
「オールマイトォ!!!!」
「(緑谷少年─!!君ってやつは─…)」
「浅はか」
『(黒霧!!いや、この“声”は…)』
オールマイトと緑谷の間に黒霧が立ち塞がる。このままでは緑谷は_と、その時。
「どっけ邪魔だ!!デク!!」
「!!」
『(遅いよ…“三人とも”!!)』
緑谷の後ろから飛び込んで黒霧を爆破したのは爆豪だった。続いてどこからともなく氷が地を這って近づき脳無を凍らせていく。
「氷結…!!轟少年か!!(私が凍らないギリギリの範囲をうまく調節して…おかげで!手が緩んだ!!!)」
オールマイトは轟の繊細な“個性”の扱い方に感心した。
「てめェらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」
「だあ─!!」
最後に来た切島は死柄木に殴り掛かるが、軽やかに避けられた。
「くっそ!!俺だけ良いとこねー!」
「スカしてんじゃねぇぞモヤモブが!!」
「平和の象徴はてめェらごときに殺れねえよ」
「かっちゃん…!みんな…!!!」
『(鋭児郎君、勝己君、轟君…)』