第13章 敵との戦い
「_以上!ご清聴ありがとうございました」
スペースヒーロー13号の演説に皆が拍手する。
ここは13号があらゆる災害を想定して作った…その名も
(U)ウソの
(S)災害や
(J)事故ルーム
略してUSJである。
今日のヒーロー基礎学は人命救助(レスキュー)訓練で、教師は相澤と13号とオールマイト…の筈だったのだが、オールマイトは通勤時ギリギリまで活動していた為仮眠室で休んでいる。
「にしても雪ちゃん、何処に行っちゃったのかしら」
「爆豪が怖くて逃げ出したんじゃね?」
「んだとコラ!!」
本来ならこの場にヒーロー科1-Aの生徒全員が集まっているのに、何故か一人足りない。それは八雲暁の存在である。
「やっぱりお昼の時に聞いたのが原因なのかな…」
「麗日さん…」
落ち込む麗日に緑谷はどう声をかけたらいいのか分からなくて目をそらす。
「相澤先生。彼女の事はどうするんですか?」
「一応保健室に見に行ってみたが来てないらしい。他の生徒も見かけてないみたいだしな…どうせサボりだろ、ほっとけ」
「は、はい……」
いつもの飯田なら元気よく声を張り上げて返事するのだが、今回に限ってそうはいかない。
それは暁が真面目な生徒だからと知っているからだ。休み時間に友達に嫌な話をされて授業をサボるなど、飯田から見ればとても考えられない事だった。
それは八百万も同じようで、しきりに来た道を振り返っては暁が来ないかを確認している。
「よし、そんじゃあまずは…」