第9章 初めての実践
「わーたーしーがー!!」
「普通にドアから来たー!!」
バァーンとドアが開き胸を逸らした状態で入ってきたオールマイト…先生。
「オールマイトだ…!!」
「すげぇや、本当に先生やってるんだな…!!!」
「あれ、銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームね…!」
皆が口々につぶやく。
『…っ出来れば、普通に入って来て欲しかったな…耳が痛い』
「お、お姉様っ、大丈夫ですか!?」
オールマイトの大声に思わず耳を覆って俯(うつむ)き呻いていると、百が心配そうに声をかけてくれた。
滅竜魔導士の五感は常人よりとても優れている。役に立つ方が多いが、その分苦労はある。
『…ナツの大声に比べたら、まだマシな方かな』
六魔将軍(オラシオンセイス)のコブラと戦った時のナツの咆哮は凄まじかった。
私は遠くに居たからよかったけれど、コブラの耳はたまったもんじゃなかっただろうな。本人も忌々しそうに話してたし。
「お姉様…?」
『大丈夫、一人言だから。ありがとう百』
少しデジャブを感じながら前を見る。こんな些細な事で下を向く訳にはいかない。
「私の担当はヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練をする課目だ!単位数も最も多いぞ!」
確かに、ヒーローになる為には絶対必要な課目だ。
「早速だが今日はコレ!!」
オールマイト先生が「BATTLE」と書かれたカードを出す。成程、今日は…
「戦闘訓練!!!」
「戦闘……」
「訓練…!」
教室中から座喚(ざわめ)く声が聞こえる。
「そしてそいつに伴って…入学前に送ってもらった「個性届け」と「要望」に沿ってあつらえた…戦闘服(コスチューム)!!!」
「「おおお!!!!」」
「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」
「「はーい!!!」」