第19章 うなれ体育祭!!
「騎馬戦の記憶…終盤ギリギリまでほぼボンヤリとしかないんだ。多分、奴の
“個性”で…」
尾白君の言う「奴」とは心操君の事だろう。確かに彼の“個性”に嵌(はま)っている間は、“自分で考えて動く”という脳の働きが停止してしまう為、朧気な事が多い。
「チャンスの場だってのは分かってる。それをフイにするなんて愚かな事だってのも…!」
「尾白くん…」
「_でもさ!皆が力を出し合い争ってきた座なんだ。こんな…こんな訳わかんないまま、そこに並ぶなんて…俺は出来ない」
…素晴らしいね、尾白君は。ここがFAIRYTAILだったら誰かさんが
「漢だあぁ!!」とか叫びそうだけど。いや、絶対叫ぶ。
「僕も同様の理由から棄権したい!実力如何以前に…“何もしてない者”が上がるのは、
この体育祭の趣旨と相反するのではないだろうか!」
漢がここにもいたね。彼は確かB組の…庄田二連撃君だったか。
ミッドナイト先生は「好み」という事で二人の棄権を認めた。
繰り上がりは5位の拳藤チームなのだが、
ここも男前…いや、女前を発揮して鉄哲チームに譲った。
結果、鉄哲徹鐵君と塩崎茨ちゃんが繰り上がる事に。二人の“個性”は厄介だ。特に鉄哲君とは当たりたくないなあ。
「組はこうなりました!」
舞台上の大画面にトーナメント表が映される。
私は…