第19章 うなれ体育祭!!
_暁がその場を離れた後_
「随分焦ってるねぇ、爆破少年」
「ああ!!?」
愛龍はにやけながら目の前にいる爆豪と対峙する。
「お前らがあいつの事をどう思おうが構わねえよ。むしろ避けてくれた方が好都合だったしな…お前みたいな奴以外は」
「…てめえはあいつ何だ」
「…世界にただ一人の、心置き無く会話して傍に居られる存在…と言えばいいか?」
_ブチッ
「おーおーキレてるキレてる…まー精々頑張れ。あいつの“気持ち”がお前に向く事は限り無く低いけど」
爆豪が言い返そうとすると、愛龍は素早く回れ右をして一目散に逃げた。
暁が居ない上、愛龍に嘲られ、挙句の果て無視される。爆豪の堪忍袋の緒は簡単に切れてしまった。
「言うじゃねえか、クソ猫野郎…絶対ぶっ殺す!!」
二人の会話が終わって少し後、何も知らぬ存ぜぬの暁は、第二関門「ザ・フォール」を漸く抜けた所だった。
『まだ前の方…でも轟君と勝己君に抜かされた!』
落ちてしまわないように慎重に進んでいた為か、その隙に抜かされたらしい。
爆豪に関しては、愛龍と話していた筈なのに…そもそも愛龍の姿を見かけていない。どこかで足止めでもくらっているのだろうか。
とにかく休んでいる暇は無い。急いで呼吸を整え前へと進む。
《さあ、早くも最終関門!!かくしてその実態は…一面地雷原!!!怒りのアフガンだ!!》
大層な名前だな、なんて事を思いながら目の前の地面を見る。よく見れば薄らと地雷の影があるのが分かった。
『目と足使えって事ね…私には関係ないけど!』
言うが早いか、暁は真っ直ぐ走り始めた。しかも器用に地雷を避けている。
『(地雷の音が聞こえる私にとって、この関門はさっきのよりチョロい!)』
足元に動かない小動物がいると思えばいい。それを避けて行くのと同じだ。
斜め前で争っている轟君と勝己君を追い越しながら先へ行く。このまま行ければ_