第5章 break time②
あー、ボクは御堂筋翔くん言います。
ホンマは昨日の晩、京都に帰るハズやってんけど、ちょっと気ィ変わってインターハイ最後まで出ることにしました。
ちょっと時間ギリギリになってしもうたケド、まぁ大丈夫やろ、、、。
早く行ったらな石垣クンあたりは泣いてるかもしれへんケドなぁ、、、プクク。
御堂筋はスタートに向けて自転車を漕いだ。
昨日はもう無理や思たけど起きてみたらまだ走れる足は残ってた。それに新しい軽量化もした。
待っときや、今日こそ絶対に、、、、。
「!!」
御堂筋がテントの間を抜けようとした時、目の前に急に小さな影が飛び出した。
キキッ!
慌ててブレーキをかけたが間に合わなかった。
小さな影は「きゃっ!」と声を上げて倒れた。
御堂筋は地面に倒れこむ、その小さなオカッパ頭を見下ろした。
何やコイツ、、、エライちっこいな。
子供か?
とゆーか、急に飛び出してきて何考えてんねや。
キモッ!
そんな2人を見て周りは少し騒ついた。
「あー、あれ京都伏見の御堂筋じゃね?何あの頭!」
「あの子ぶつかったのかな?だれか助けてあげなよ!」
うるさいなー、そんなんええから早よ助けたりーや。
ホンマはボクが手を出すべきなんやろうけど、
「あっ!あの大きい人って昨日すごい気持ち悪い走り方してた人だ!」
「近くで見るとなんか更にって感じだよねー笑」
そんなんしたらキモイやろ?
なぁ、お前もそう思うやろ?ザク。
御堂筋は「いてて」と腰をさするその女の子を黙って見つめた。
「大丈夫?ごめんな?」
例えば石垣クンやったらそんな風に言うんやろか。
想像するだけでキモいけど、もしもボクがそんなん言うたら、お前はどんな反応するん?
「気持ち悪!近づかないで!!」か?、、、プクク。