第2章 break time①
「山岳、ちょっと私、本を探してくるからね。ちゃんと勉強してるのよ!」
「はーい、、、委員長」
「あのっ!」
佳奈はシャーペンをクルクル回しながら、窓の外を眺める真波に声をかけた。
「ただいまー。欲しかった本、無かったー。借りられてるのかなー」
「あ、委員長。探してる本ってこれじゃない?今、図書委員って人が委員長にって持ってきてくれたよ」
「えっ?どれ?」
「はい」
真波はニッコリと笑い、委員長に紙袋を手渡した。
「んー?って、、、、っ!!!」
「ねーねー、探してた本ってどんなやつ?」
真波が委員長の腕の中を覗き込む。
「イヤーーーっ!!」
委員長は真波に見えないように後ろに隠した。
「えっ!何何?何の本?」
真波は楽しそうだ。
「ぜ、ぜぜ絶対見せないっ!勉強しなさい!山岳っ!」
「えぇ〜何でー?見せてよー」
「やだって!もうっ!追いかけてこないでよっ!」
佳奈はその様子を本棚の陰から覗いていた。
「ふふっ。」
委員長さんっ!頑張ってね!!
必死で隠す委員長の腕の中には『目の前の彼に好きと伝える100の方法』があった。
おわり