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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第8章 秋は夕暮れ②


席替えをしてからもうすぐ1ヶ月。
外の空気は少しずつ冷たくなって、窓から見える景色も秋の様相を呈していた。

「ふぁーあ、、、」

沙織は大きな欠伸をして外を眺めた。
窓からは校門が一望でき、登校してくる生徒たちの姿が見えた。


荒北はよく外を見てたケド、、、
これ、見てて面白いか?


眠気眼でボーッと眺めながら、荒北の横顔を思い出した。その顔はいつも不機嫌そうで、


あ!そうか。面白くないから、いっつもあんな顔してたのか。
、、、ホント、ブッサイクだったな笑


「プッ」


沙織は小さく吹き出した。
沙織の席は前の席から1つズレた位置。
以前は荒北が座っていた場所に、今は沙織が座っている。
そしてその隣には、


「沙織ちゃん、おはよう!今日も眠そうだな」

隣の席からガタンと椅子を引く音が聞こえ、振り向くと新開が爽やかに笑って席に着いた。

「おはよ、新開。あー、、、一応受験生だし?昨日も勉強しててさぁ」
沙織は再び欠伸をして答えた。

「はは、大変だな」
新開は目を細めて笑った。

「っつか、アンタだって人ごとじゃないじゃん!なのに何でいつも朝から眩しい顔で笑えるわけ?」
沙織は訝しげに新開を見た。

「俺は9時には寝てるからな」
「えぇ!?何それ!今時、小学生でももう少し起きてるでしょ!!」
「嘘だよ」
「なっ!、、、そーだよなぁ。高校生、しかも受験生がそんな時間に寝てるなんて、、、」
「8時には寝てる」
「ハァ!?」
「はは、それも嘘」
「んだよ!もう!!」
沙織は頭を抱えた。
そしてその様子を見て、新開は楽しそうに笑った。


コイツ、マジでふざけてる、、、!


沙織は新開からプイッと顔を背けて不貞腐れた。
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