第7章 break time③
放課後。
「お、泉田。なんか今日は機嫌がいいじゃナァイ!何かあったのォ?」
ユニフォームに着替えようとロッカーを開ける僕をからかうように荒北さんが声をかけてきた。
そのニヤリ顔を見て僕は今朝の出来事を思い出した。
「実は今日、荒北さん似の人魚を見まして」
思い出すだけで自然と笑顔がこぼれた。
「アァ?なんだそ、、、」
「ブフッ!!」
怪訝な顔をする荒北さんの後ろで、福富さんが吹き出した。
「荒北に似た人魚、、、フフ、、、」
その肩は震えている。
「ちょ!福チャン!何か変な想像してナァイ!?」
「いや、すまん。そんなことは、、、ブファッ!!」
「やっぱしてるよねェ!?ちょっとやめてェ!!」
イチャつくお2人の後ろで僕はサッとユニフォームに腕を通した。
「オイ、コラ!泉田!テメェのせいだぞ!!」
今は少しの時間だって惜しい。
だって僕は今、
「よし!今日もいくぞ、アンディ!フランク!」
「ちょっと待てヨ、泉田!コラァ、無視すンな!!」
これまでにないくらい
やる気に満ちているから。
おわり。