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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第6章 秋は夕暮れ①


水泳の授業が終わってからも沙織の心臓はドキドキと鳴り続けていた。



「泳いでるテメェはカッコ良かったヨ、、、」




荒北の言葉が何度も何度も頭の中でループして、


昨夜は緊張して全然寝られなかったこと、
本当は寝坊したのではなくて誰よりも早く来て
更衣室で朝からずっと閉じこもっていたこと、
スタート台に立った時、足が震えていたこと、
泳ぎ終わった時、荒北がどう思ったか
不安で仕方がなかったことも、


全部全部掻き消して、


「ふふっ、、、」


沙織の頬を綻ばせた。


「フゥッ!」
制服に着替えた沙織はパンッと頬を叩いた。
そうやって緩む顔を戻して教室へ向かう。



どうしてこんなにも心が弾むんだろう。
どうしてただ廊下を歩くだけでこんなにも楽しいんだろう。


教室まで歩きながら沙織はそんなことを考えた。




あぁ、きっと久々に思いっきり泳いだからかな。
、、、すっごく気持ちよかったし。

それもこれもまたアイツのおかげで、、、。



沙織は窓際に座る荒北の後ろ姿を思い出した。



教室に戻ったらどんな話をしよう。
大学の話?
そういえばアイツ受験勉強してたっけな?
どこを受けるんだろう?
、、、聞いても変じゃないよな?
別にアイツと同じとこに行こうなんて思ってないけど。
ただ、、、参考までに。



これからは少しは優しくできるかな、
、、、いや、できないか笑


教室の前に着き、扉に手をかけて


それでもいい。
そうやって私達は
これからも、、、


ガラ!
勢いよく扉を開けた。


文句を言い合いながらも
きっと私達は続いていく。



それが今はただ
嬉しくて。




そして見えた教室の黒板の文字を見て、沙織は目を丸くした。





☆席替え☆
1人1枚クジ引いてね!!!





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