第6章 強襲
「……命令とあらば」
カルナを包んでいた黄金の鎧がほどけるように天へと還る。
堰を切ったように爆発的に溢れるエネルギーは轟々と地面を鳴らし、渦を巻くようにして熱風が吹き荒れる。中心には眩(まばゆ)く輝くオレンジの光。彼はまるで太陽の如く。
「神々の王の慈悲を知れ。インドラよ、刮目しろ。絶滅とは是、この一刺」
穂先が巨大に変形した槍を天高く掲げる。
黒曜石のような黒に妖しく光るは開かれた目の意匠。
大地が割れ、天を割く。
「灼き尽くせ、『日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ)』!!」
存在という概念自体を焼灼するとされるその槍が撒き散らす光が余りにも眩しくて。
私はそっと、目を閉じた。