第1章 出逢い
ある日のことだった
時刻は夕方
もうとっくに申の刻は過ぎていた
「おい、そこの女。随分と可愛いじゃねぇか。俺らと一緒に飲みに行こうや」
そう、唐突に声をかけられた
振り返ってみれば三人の男
顔はほんのり赤い
…こりゃ既に飲んで酔ってるな
面倒くさ
『私、用事があって急いでいるので』
私は優しく、やんわりと断る
「いいじゃねぇか、大した用事じゃねぇだろ?」
うるせぇ、人のこと勝手に決めんな
用事なんて嘘だわ気づけ阿呆
一人が私の手首を掴む
「ほら、行くぞ」
しつこいなぁ…
『おい、離「おい、放してやれよ。嫌がってんじゃねぇか」……』
突然、上から声が降ってきた
そこにいたのは背の高い、赤い髪の男
赤髪…初めて見た…
「邪魔すんじゃねぇ!」
「そんな事言われてもなぁ…どう見たってその嬢ちゃんは嫌がってるみたいだし。男として見て見ぬ振りは出来ねぇからなぁ」
赤髪の男はニヤリと笑った
「邪魔をするなら斬る!」
「斬れるもんなら斬ってみな!」
三人は腰の刀を抜いた
一方赤髪の男は何も持っていないように見える
「うらぁ!」
三人のうちの一人が刀を振り上げる
赤髪の男は見事にそれを避け、男の腕を掴み捻る
もう二人も斬りかかるが足を引っ掛けられ、
一発殴られる
この赤髪の男がよっぽど強いのか
それとも三人が物凄く弱いのか
どっちもか…
そう考えていると手を引っ張られた
「嬢ちゃん行くぞっ!」
私の手を引っ張ったのは赤髪の男だった