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【暗殺教室】偽る君へ

第4章 親愛の時間


ほぼ訓練の文字で埋め尽くされた時間割。朝9時から夜の9時までびっしりと予定が積まれていた。

時間割ではなくて、真っ黒な企業の予定表の間違いでしょ。

「理事長にも承諾してもらった」
「この時間割についてこれればおまえらの能力は飛躍的に上がる」

「待ってくれよ。無理だぜこんなの!!!」


横暴な鷹岡先生に立ち向かったのは、前原くんだ。この空気の中、異を唱えるのは素晴らしいけれど。嫌な結果を想像してしまう。


「勉強の時間これだけじゃ成績落ちるよ! 理事長も"わかってて"承諾してんだ!!」


息を殺して気配を潜め、腕と足に力を入れる。繊細に、ゆっくりと。けれど確実に。
そうして地面から臀部を離し、少しずつ前原君の背後へ近付き…


「遊ぶ時間もねーし! 出来る分けねーよ、こんな、の!?」


ビリビリとした気迫を感じたと同時に、後ろから一気に彼の服を引っ張る。

が。


前もって動いたが、嫌な結果というものが当たってしまった。鷹岡先生は前原君を掴み、彼の腹部に膝を入れた。

「『できない』じゃない、『やる』んだよ。俺達は『家族』で俺は『父親』だ」
「世の中に…父親の命令を聞かない家族がどこにいる?」


激しい言葉の後さらに、『誰かが抜けた場合は新しい人材を補充する』と脅してきた。
かと思えば微笑みかけ、『家族だからそんな事はしたくない』と歩みよる。


……簡単な洗脳行為。恐怖を植え付けた後、偽りの蜜やゴマ粒程度の施しをちらつかせて相手を意のままに行動させる。


どうやら鷹岡先生は、私が最も嫌悪する――関わりたくない人種のようだ。
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