第4章 親愛の時間
翌日。
早速体育の授業が入ってる……と、いうことは。
あの鷹岡先生の授業を受けなければならない。
あの先生とは関わりたくない。
何故かと言われると返答に困るが……強いて言えば、本能が警鐘を鳴らしているから。
だからといって。
いや、だからこそ。
授業をサボる訳にはいかない。
私は個人の意志でいるのではなく、クライアントの要望でここにいるのだから。
鷹岡先生は、注意事項があると言い生徒をグラウンドに座らせた。
要は、
これまでより少し授業内容がハードになる。
その代わり終わったら食事を奢ること。
気合いを入れるために、かけ声を決めること。
最後のは至極どうでもいい、が。
またもや生徒たちの心を掴んだ模様。
烏間先生が担当してた時よりも皆声が大きい。
けれど。
そんな和やかな雰囲気が、次の瞬間には消え失せる。
「これは……」
「うそ…でしょ?」
「10時間目…」
「夜9時まで…訓練…?」
鷹岡先生が配ったプリント。
格子状に引かれた線に、学生が守るべき日常を。
たった数文字で書かれた、けれどその時間内で行うべきものがズラリと記されたもの。
その時間割には。
およそ九割が同じ文字で埋められ、今まで見たことがない数字が書かれていた。
中学生が、いや。
学生が取り組むようなスケジュールではない。
この先生は、何を考えているのか。