第3章 訓練の時間
転入直後にまさか行事が控えているとは思っていなかった。それも、球技大会……野球だ。動き回る職業のせいか、こういうものは抑制しにくい。
けれど、 人数の影響で序盤はベンチメンバーに潜り込むことが出来、目立つことなく試合終了。
結果はE組の勝利。野球部相手に楽勝、とはいえないが勝ち逃げするとは普通なら考えられない。
けれど、ここは異生物を狩る場。異生物が教鞭をとり生徒がナイフを、銃を構える教室。
「視線を切らすな!!」
「次に標的(ターゲット)がどう動くか予測しろ!」
現に、生徒がナイフ片手に教師を襲っている。
教師といっても、烏間先生で。ナイフは殺せんせー用の、私たちには無害のものだけど。
体育の授業。その内容は一般的なものとはかなり違う。何せナイフの使い方、体術の基本等を扱っているのだから。
けれど。
生徒の動きには驚かされる。
「お」
「良し!! 二人それぞれ加点一点!」
磯貝くんに、前原くん。
自衛隊に所属していた烏間先生にナイフを当てるなんて。中学生だということを忘れてしまう。
次は、あの赤髪くん。
一見するとやる気なさそうにただ突いてる。けど、先生の隙をうかがってるようだ。
残念ながらそんなに甘くはなかったみたいだけど。